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つれづれと

雑食おたくが綴る感想やら独り言やら写真やら。

【感想】グラファー vol.1

『グラファー vol.1』

2015年10月14日~18日 キーノート・シアター
出演:森崎ウィン 本川 翔太 清水ひとみ 鵜飼主水 藤本かえで 後藤紗亜弥 音河亜里奈 石田達成

 

グラファー!見てきました!!!遅ればせながら感想を書きます~!!!!


主人公は、青年「リアム」。彼のもとに差出人不明の手紙が届きます。そこに書いてあったのは深夜にここに来い、という招待状で。それに引き寄せられるように指定された場所へ行くと、そこには様々なアーティスト、パフォーマーが集合していて…。というストーリーでした。
なにをするわけでもないのにどうしてか毎週土曜日に集まってしまうパフォーマーたち、そして彼らを招待した謎の支配人という人物、またそんな支配人の真の目的とは~…みたいなお話でした。上演時間90分くらいでしたがいろいろ詰まっておりました。

とにもかくにも、そのパフォーマーさんたちがそれぞれ個性的で、彼らのパフォーマンスだけでもお話というかショーとして成り立つよな~ってかんじで見ててたのしかったです。
本川さん清水さん演じる役者さん、鵜飼さんの殺陣師、藤本さん紗亜弥さん演じるアーティスト、石田さん音河さんの手品師とその助手、そして主演森崎さんのダンスやらなにやら~…ぜんぶがすてきでした。あっもちろん支配人をやっていた後藤健流大先生さまのダンスもすばらしかったです!見る度思うんだけどあのひとどうなってやがるんだ。
物語のフィナーレは彼ら全員が力を合わせてひとつの作品を作る、というものだったのですが、それがすごいそれぞれの魅力を発揮していてたのしかった。

で、お話のほうなのですが基本はそのパフォーマーさんたちが「わたしたちはもっと活躍できるはずなのにどうして売れないんだろう」「もっと評価されるべきなのに」「俺の本気はこんなもんじゃない」と皆がくすぶっている中、支配人(じつはプロデューサーらしい)が彼らを試していく…というものでした。自分の力を過信しそれから向上していこうとしないパフォーマーたちは支配人から一度は見放されますが、リアムと支配人のダンスを見て「エンターテインメントを通して伝えたいきもち」というものを思い出して少しずつ変わって行く…という展開。ちなみに主人公のリアムはほかのみんなとはちょっと違っていて、自分に自信がなくパフォーマンスをすることができない、というのがあったのですが、支配人にけしかけられて自由に踊ることで自分のやりたいことを見つけ、そしてみんなのリーダーとして輝いていくという、きらきらな役回りでした。ほんとに、ふたりのダンスバトル?のシーンがほんとに、わくわくした!いろんないみで!!!
そして最終的なオチとしてはじつは支配人がエンターテインメントを通じて日本を、世界を変える!政府をひっくり返す!そのためにアンダーグラウンドで戦っていく集団、それがグラファーだ!ばばーん!!!!で話が終わりました。それはまたのちほど。


さてあらすじはこんなかんじで、ここからは感想です!


とりあえず、つ、つらかった!!!!!!!
そもそもこの舞台は後藤さんが出演者それぞれにアテ書きをして脚本を書いているということを事前に知っていたので、それを覚悟して見に行ったのですが、しかしその覚悟を凌駕するくらいにはアテ書きが刺さりすぎていた。だからいい意味で言うと、すごい、演者さんたちのことを考えて考えて作りこまれた作品だったのかなとおもいます。
いやでも、アテ書きはあくまで作品の外の話なので、作品自体にどっぷり浸かれなかった自分も悪いとはおもっています。でもつらいもんはつらかったんだぜ。
たとえば役者さん、たとえば殺陣師さん、たとえばダンサーさん。彼らは実力はある(と、自分では信じている)けれど売れていなくて、活躍の場とかもあんまりなくて、それでも自分たちはやれるとおもっている。売れたいとおもっている。刺さるんですよ~、そういうのが。なんか。ストレートで刺さりすぎた。これがね、たとえばすっっっごい大きな劇場で、すっっっごいベテランさんたちの舞台とか、もういっそテレビとか映画とかだったら、リアリティがなくてつらくもなかったろうし刺さらなかったろうしなんでもない要素になるんですけど、なまじなんていうか、申し訳ないけれどとってもリアルさを感じてしまう脚本だったわけで、しかもアテ書きだよ~だなんて言われてしまったらそれはもうグサグサなわけで。売れたいってまっすぐで強いメッセージなんですよね、おたくにとっては。すごい効くひとことだとおもっている。少なくともわたしは「売れたい」って言葉にめっちゃ弱い。突き刺さりました。

そしてわたしが今回このグラファーを見に行った理由は、応援しているグループ「PrizmaX」のボーカルである森崎ウィンくんが主演するからであって、もっと言ってしまえばそんなウィンくんを知るきっかけになったスレイジーで共演していた後藤さんとウィンくんがまた共演するからであって(ていうかスレイジーで知り合ってそこから後藤さんがオファーかけてくれたということで!ありがとうスレイジー!ありがとうリドルちゃん!)、つまりはウィンくんお目当てなきもちが強くて行ったんです。ウィンくんの演技がほんとにだいすきで!目が!目が好きで!!!!
それでそんなウィンくんが演じていた主人公「リアム」は、招待状が届いておそるおそるみんなの仲間に入り、しかしかたくなに自分がどんな表現者で、どんなパフォーマンスをするのか教えない、謎のある青年、ってかんじでした。前半はおどおどしていて、そのおどおどぷりがよかった。おどおどしている演技をしているウィンくんの目がほんとにすきです。そのあときらめくからこそその対比がすき。すきです。
閑話休題。そのリアムが結局じゃあどんなパフォーマーかっていうと、それは終盤わかったのですが、彼は「なんでもやる」というパフォーマーでした。つまり、歌うし、踊るし、演技もする。なんでもする。そう、これってまんま、ダンスボーカルグループで歌って踊って、そしてこうやって舞台にも出ている、森崎ウィンくんなんですよね~!ひゃ~~~~!!!!!初日、ごとうたけるせんせいはほんとうにチクショウ~~~~~~~!!!!ってきもちになった。
いやこれでリアムが「俺は何でもやるぜ!なんでもたのしいぜ!ヒャッホイ!」ってテンションならなんら問題はなかったのですが、リアムがどうして自分がどんなパフォーマーか名乗らなかったのかというとそんな自分に自信がなかったから、であって。なんでもできるが故にどうしていいかわからなくて、なにをしていいのかわからなくて、悩んで、立ち止まってしまって、そうしたらなにもできなくなってしまって。そういうひとで。で、そんなときに舞台の前にウィンくんがちらりと言ってた「森崎ウィン自身の悩みとリンクしてるとこもあるから、あー、ウィンはこういうこと悩んでるんだなとかも思ってほしい」だなんて言葉を思い出してしまって、うわあ~ってきもちにちょっとなってしまって。
さっきも言いましたが、ほんとうはこういう見方はよくないんだろうなっていうか自分はあまりしたくない見方なんです。それはわかっています。舞台は舞台、ご本人はご本人で、そこはまったく別物で、切り離すべき世界であって、わたしが見ているのはウィンくんではなくリアムであるべきで、そう見る努力をすべきであった。
けれども、そこに入り込む前に、あまりにも、あまりにもいろいろなことが(ウィンくんだけでなくほかの演者さんのことも含め)現実世界とリンクしているのを感じてしまって、一度そうなってしまうと抜け出すのはちょっとむつかしくて、結局のところ、ああつらいなあってきもちになってしまいました。
もちろん、舞台はそこでは終わりません!リアムはきちんと自分のやりたいことやるべきことを見つけ、自らの意志でパフォーマンスを始め、みんなを巻き込み、最高の作品を作ろうと動き始めます。自分のきもち、パフォーマンスをするときのたのしさに気づいた瞬間の、きらめく瞳と笑顔ときたら!ああ、これだ、これだなあ~!って噛みしめる、いい表情でした。すきだなあ。そう、最終的にすきだなあってきもちをもらえたので、救いはあるし、リアムの物語は悩みと苦しみでは終わらないので、100%つらさがあったわけではありません。けれども中盤で「あっこれは…」と「リアム」ではなく「ウィンくん」を思い起こしてしまった時点でわたしの負けだったというか…アテ書きを見るときのテンションってむつかしいんだなって改めて感じました。どう見るかは観客の自由だとは思いたいのですが、作り手はどう見てほしかったのだろう?とか考えちゃいます。


それからストーリーで言うと最後のオチがやはりうおとっと、となるところではございました。中盤、というかほんと最後までテーマは「なんのために、だれのためにパフォーマンスをするのか?」であったと感じていたのですが、さいごのさいごのどんでん返し?で、「エンターテインメントの持つ本当の力」という切り替えになっていたのには不意打ちでびっくりしました。良いびっくりというよりかは、そ、そう来るか…という、純粋な疑問も含んだびっくりです。
序盤のテーマと、最終的なテーマ、そのふたつは相反するものでもかけ離れているものでもなく、「なんのために?」の延長線上にあるとも捉えようによっては考えられるとは思うのですが、けれどもそれはほんとのほんと~の最後の一言でしか表現されていないし、しかもパフォーマーたちの意識が変わって「俺たちが日本変えようぜ!」ならまだしも、支配人の意図がそちらにあると暴露されて終わったわけなので、パフォーマーの「なんのために」=「お客さんのために」と、支配人の「日本を変えるために」=「自らの目的のために」は、必ずしも一致しているものではないよな~とおもったので、そこはもやっとしました。
2があるからそこにつなげたい、というのはわかりますし、見ながら「あ~これは続編のための繋ぎだなあ~」というのはビシビシ感じましたが、でも話の根幹であった「きみたちはなんのためにパフォーマンスをするんだ?」という訴えを、そんな一言で簡単に変えてしまっていいんか~いと心の中でツッコミは入れました。むしろわたしは中盤までは「自分が売れたいとか大きくなりたいとかそういう話をする前に目の前の客を大事にしてみろよ話はそれからだオラ!!!」みたいなガッツを支配人から、もしくは後藤さんから感じていたのですが、それが「日本変えたい~」とか、もっと言ってしまえば自分の恨みを晴らすために?そういうことをするためにパフォーマーたちを集めたとしたならば?そこらへんが矛盾してしまうんじゃないかなってちょっとおもったわけでして。
まあそこらへんの話は2を見てみてから!ってことかもしれませんが(パフォーマーと支配人の方向性の違いとかあったらおもしろいだろうなとかおもってる)、最初から「前後編だよ!」とか「何部作だよ!」と言われていない限りはその話はそこで完結すると思っていていいわけですよね?というわけでできればテーマというか、意識を統一したままこの作品はまとめてほしかったなあ~なんておもったりなんだり。続編があるからこその贅沢なきもちですけれども。


なーんていろいろ言ったんですけど行かなきゃよかった!とか、行って損した!とかは欠片も思っていなくて、むしろ行ってよかった、生で見てよかったってきもちのほうが強いです。あの規模で、あれだけのパフォーマンスを拝めたのは、ぜったいに良いことだった。それは断言できる。
あと、登場するキャラクターたちがみんな支配人の分身のようで、そしてたぶん後藤さんの分身のよう(どこかでその話してましたよね?)で、それは興味深かったです。アテ書きの話に繋がるけれど、きっとみんな通っていく道なんだろうなあって。キラキラの世界の裏側には、いろんなきもちがあって、そのきもちがぶつかりあって、ぶつかっているからこそ舞台できらきらするんだろうなあって。変にリアリティがあったんだよなあ、良くも悪くも。
先ほども触れたのですが、支配人とリアムのダンスがすきでした~。あのふたり、とてもよかった~!よかった~!上記のとおりリアムもまた支配人の分身で、そして後藤さんの分身であるから、リアムが目を輝かせながら必死に支配人についていく姿が、とても印象的で、とても目に焼き付いております。あのふたりのダンス対決といえばスレイジー3だったんですけど、今回はさらに良かった!なんかもう、良かったしか言えないな!きらっきらってああいうことで、台詞がなくても説得力に溢れていた、印象的なシーンです。もっかい見たいなあそこ。
そしてなにより、最後にリアムが主導となり、みんなでひとつの作品を作ろう!と団結して、そうして完成したダンスや、芝居や、殺陣や、マジックや、いろんなものが混ざり合ったひとつのパフォーマンスは、とてもすごかった。語彙力が欠如しているけれど、とてもすごかった。なんかこういう作品、ほんとに上演してもいいよね~っておもった。エンタメの塊というか。だから最後にリアムが失敗で終わるのはちょっと残念だったんですけれどね!あれ、最後は成功させてあげたかった!拍手で終わりたかった!
そうそう、実際の観客に「観客という役」を与える、という試みも、なんというか今っぽくてたのしかったです。辿って見ればドルステや、テニミュのチムライ、そしてなによりスレイジーなんていうものを彷彿とさせる、あなたたちもこの世界の一部だ、というスタンスは、ハマるとおもしろいから、こうやっていろんなところで出会うんだな~などとおもってしまいました。なので、要所要所がスレイジーぽかった。なんて言ってしまうと身も蓋もないんですが、スレイジーぽかった。なので、きっと2はそこから脱出して、フィールドが世界になるので、やっと「グラファー」でやりたいことが見えて来るんだろうなとか期待してます。そう、2に期待。続編に期待。そんな作品でした。


最後にまたゆるいPrizmaXファンとして話を終えてしまうんですが、ウィンくんが主演ってことでメンバーがみんな舞台を見に行っていて、その感想を話しているときにリーダーの黒川ティムくんが「オープニングで踊るウィンが、ずっと真顔なのにたまにぱって笑顔になるのが印象的だった」みたいな話をしていて、ウィンくんが「そうそこ!気づいてくれた!?」みたいに嬉しそうにしていたのがとってもなんか、いいな~ってなって、いいな~っておもいました。踊っているウィンくんのそういう、きらめく一瞬を、メンバーもだし、わたしたちも見られたのが、なんか、いいな~って。舞台はいいな~。そんな感想です。なんでもできるリアムもそしていろんなことができるウィンくんも、舞台の上でどんどんきらきらしていてほしいな~!


自分でも引くくらい視点の偏った感想を書いてしまいました。反省しております。でもたのしかった!続編もたのしみにしているので、なにとぞ、よろしくおねがいいたします!