つれづれと

雑食おたくが綴る感想やら独り言やら写真やら。

【感想】ALTAR BOYZ RED

ALTARBOYZ RED

2014/11/21~30 新宿face

出演:大久保祥太郎/大山真志/川原一馬/法月康平/山下翔央

 

行ってきましたアルターボーイズ!行ってきました新宿フェイス!久しぶりだな~と思ったらスレイジーぶりのフェイスでした。そりゃあ久しぶりだ。とってもなつかしい気持ちになりました。
そんなこんなで、アルターボーイズレッドを観劇してきました。以下ネタバレやらなにやら含みますのでご注意ください。


そもそもアルターボーイズという作品とはなんぞや、といいますと、元々はアメリカの作品であり、それが長年にわたり世界各国で上演されているもの。日本ではすでに過去4回も上演されているものです。しかしお恥ずかしながら、というか誠に残念ながら、後悔すべきことに、わたしは今回が初めてのアルターでした…もうほんとにもっと早く出会いたかった!としか言えないです!もっと早く出会ってもっといろんなことを考えたかった!です!


さてこのアルターボーイズのストーリーですが、登場するのは5人の青年たち。それぞれがキリストの使徒の名前を持つ「マシュー」「マーク」「フアン」「ルーク」そしてもうひとり、「アブラハム」。この5人はライブを通して神様の言葉を伝え、人々の魂を浄化する使命を担っています。…ということで今回アルターボーイズたちがやってきたのはここ日本。神様万歳魂の浄化ジャパンツアーファイナルライブの会場新宿フェイスで、観客、つまりわたしたちの魂を浄化してくれる、というわけです。
そしてどうやってお客さんの魂が浄化されたかどうかを測るかって?そいつはこちら!じゃじゃーん!と出されたのがソウルセンサーDXという機械。この機械で一体いまこの会場の何人の魂が浄化されていないかが一目でわかる、という優れもの。この浄化されていない魂をライブが終わるまでに「ゼロ」にするのがボーイズたちの目標なわけで…しかしいろいろな問題が立ちはだかるわけで…はたしてアルターボーイズたちはライブ終了までにすべての魂を浄化できるのか!?というお話でした。


ここまででまずなにに感動したかって、あっわたしたち観客も世界の一部なんだ…!ということでした。観に行ったのはアルターボーイズというお芝居のはずなのに、新宿フェイスで開催されていたのは魂の浄化ライブジャパンツアーだったんです。わたしはアルターボーイズを見たんじゃなくて、アルターボーイズたちが出演している魂の浄化ツアーを見た。これってすごいことだなとおもって。
たしかに「劇中劇」「劇中ライブ」要素がある作品はあります。たとえばabcの二幕、たとえばアイドルステージの二部、たとえばスレイジーのショーパート。うん、ぜんぶすきなやつだ。でもそれはどれも「その舞台裏」がセットになっているから「お芝居」になっているわけで。ふつう舞台ってその登場人物たちの日常や冒険や心情をこっそり覗き見るのが観客で、舞台の上から見れば観客がいないことになっていて、それはある意味ルールで。けれどそのルールを壊せるのが「劇中劇」「劇中ライブ」で、そのとき観客は「観客」としてその作品に参加できるわけで、わたしはそれがすきなんですけど、じゃあアルターはどうだったかっていうと。「観客がいない時間がない」んですよね!これ、すごいことだぞと!一切舞台裏の話なんてしない。だってここはライブ会場だから。彼らが見せてくれるのは、すべて彼らのライブパフォーマンスの一環なのです。上演時間すべてが、魂の浄化ライブすべて。
だって、アルターボーイズたちが歌う理由が「わたしたち観客の魂を浄化するため」なんです。ベクトルがすべて観客に向いている。ソウルセンサーで測られるのは会場すべての魂たち。浄化する魂がないと、つまり観客がいないと成り立たないライブで。たとえば極端な話、普通だったらお客さんが5人だけしかいない舞台でも作品は上演できるはずなのです。極端な話ですけど。しかし、アルターボーイズという作品はそうはいかない、だって「400人もの観客が入った新宿フェイスで開催されるライブ」をしてるんだから。だからわたしが観に行ったのは「舞台」ではなく「ライブ」だった!それがすごいわくわくして、どきどきして、ダイレクトにいろんなことがびしびしきました。
そしてもうひとつすごいなと思ったのが舞台がずっと「新宿フェイス」だったということです。舞台は場面転換によって、同じ劇場が喫茶店になったり路上になったり学校になったり何にでも変化します。けれどアルターボーイズたちが立っていたのはずっと「新宿フェイスの舞台上」でした。そりゃあ、新宿フェイスで開催しているライブなのだからそのとおりなのですけど。だから、臨場感もなにもなくて、本物なんです。生バンドもそう。迫力ももちろんですけど、彼らも本物で、生きているから、本当にライブがそこで開催されていました。ぜんぶ本物の世界に、アルターボーイズたちがぽんとやってきて、ライブをして、わたしたち観客の魂を浄化してくれる。すごい、すごい…!見ている間も終始ずっとすごいすごい思ってました。ほんとうに、この世界づくりがだいすきでした。


そしてひとりひとりについても!ライブはバンドさんを除けば5人だけで進んでいきます。ほかには誰も出てこない。だってアルターボーイズたちのライブだから!アルターボーイズはみんなみんな魅力的ででもなにかしらを抱えていて、でも最高にかっこよくてかわいくてかっこよくて最高でした。語彙力。

 

・マシュー
かっこいい。かっこいい。マシューを演じるにあたって大山さんが減量がんばったというお話はうっすら聞いていたので知ってはいたのですが最初出てきたときに「えっえっ痩せえてるえっかっこいい~!」ってなりました。めちゃかっこよかったです。
マシューはアルターボーイズのリーダー的存在でライブの進行も回していくようなひとなのですが、とにかくその貫録とどっしりした安定感とそして包容力がとんでもなく良かったです。マシュー自身にはすごい過去とかがあるわけではなかったので、だからこそでしょうかとても包容力が目立ちました。だれかがくじけそうになったときにぐいっと引っ張り上げる力強さ。それでも、自らの内に秘めた葛藤とか悩みとかはきちんとあって、それがしっかりと人間らしく描かれていて。完璧超人ではないのです、でも、とっても魅力的なリーダーだなと思いました。あったかくて大きくて、なによりセンターで堂々と踊るのが映える。ダイナミックなダンスが輝いてました。あと汗も輝いてました。すごい柄のジャケットだなと思ったら汗だった。
ガツガツかっこよく踊る曲とは打って変わってソロ曲はしっとり歌い上げていて素敵でした…自分が昔恋をした「エンジェル」についての歌だったのですが曲中で客席からひとりお客さんを連れて来てその「エンジェル」に見立ててその人に向かって歌うというファンにはたまらぬ演出つきでした。わたしが見た回はほんとにお客さんがキャーってなっちゃってて見ててによによしました。一方でマークがめっちゃ睨んでいるのわらいました。

・マーク
かわいい。かわいい。マークお嬢様かわいい。綺麗に塗られたネイル、かわいらしい内股の歩き方、マシューに甘えるときのあまったるい声。完璧でした。とても愛くるしいマークでした。
マシューに恋する乙女?のマークは、立ち居振る舞いが優雅な、時には暴走もするけれど、とにかく優雅できれいな動きをするお嬢様…!ってかんじでした。そしてなによりセクシー、セクシー!リズムインミーという曲ではとってもセクシーなソロパートを担当していて会場が沸きました。あれ日本語訳したひと天才だと思っている。踊るときもマークはひとりマイペースというかみんながぴょんぴょん跳ねている中ひとりだけポーズ決めてたり別のステップしてたり目が離せなかったです…そしてなによりハモリのときのマークが素晴らしかった…!あんな綺麗に高い声出せると知らなかったのでひえーすてき!すてき!ってずっとマークの音を追ってしまいました…。
マークのソロ曲はライブの終盤。どうしても減らない浄化されない10個の魂に訴えかけるように始まる曲は、マーク自身の告白であり独白であり、ずっと隠していた秘密を勇気を振り絞って吐露する場面でした。もうなんか、すごい、壮大だった。すごかった。堂々と声を張り上げて歌い上げるマークのその迫力と声量と説得力に圧倒されました。その前に静かに語られるマシューとの出会いもよかったです。マシューに出会えてよかったね、マーク…ってなります。ほんと、彼はなにをしてても美しかった。終始目が離せませんでした。でもこれは、だれが書いた歌なんだろうと思うとあっこれ沼だなとおもいます。マークが自分で作った歌なのか、どうなのか。

・フアン
泣かされました…ずるかった…すばらしかった…。
フアンは関西弁を喋ります。最初、なんでアメリカの作品なのに関西弁…とおもったら、フアンはヒスパニック系の人種、つまりスペイン訛りの英語を表現するために日本で上演されるときは関西弁を使っていたのだとわかりました。そう、フアンはマシューたちとは違う土地の出身で、そして小さい頃教会の前に捨てられていた捨て子でした。いつか両親に会うためにいろんなところを旅しているそんな青年でしたが、からっとした関西弁とそしてにこにこ明るい性格でぜんぜん生い立ちの暗さを感じなくて、とっても愛おしくなりました。
ソロ曲を歌うのは、フアンであってフアンでなかったような、でもたしかにフアンのソロ曲だった、そんな曲でした。ライブ当日が誕生日だったフアンにメンバーがサプライズをしかけます。それは、フアンの両親の居場所を探偵に調査してもらった結果を彼にプレゼントするというもの。しかしその結果は…。最初はフアンもへらへら笑って「いいのいいの」と強がっていたけれど、とつぜん顔をぐしゃっとゆがめて泣き出します。それがもうほんとうにきょうたまたま見に来たライブで起こった、みたいな感じで、なんていうかその泣き方が現実そのもので、うっと胸にくるものがあった瞬間に始まるフアンのソロ曲。あの世を歌ったその曲を、泣き出してしまってまともに歌えないフアンを必死にバックダンサーとして支え、歌えないところはアブラハムが繋ぎ(ここのアブちゃんとてもかっこよかったとても)、そして時には腕をひっつかんでマイクの前に立たせ、決してフアンをステージから逃がそうとはしなかったメンバーに、信念というか、使命感というか、彼らはそうだ神様の声を伝えてわたしたちの魂を浄化するという目的があるんだもんなと改めて思ったと言うか、歌わない、ステージから逃げる、なんていう選択肢がないアルターボーイズたちと、そしてその選択肢を選ばせてもらえなかったフアンがぐちゃぐちゃになりながらもソロ曲をやりきるというその流れがほんとうにほんとうに、泣かされました。かっこよすぎた。フアンは強いなあ。すごいなあ。
あと最後の悪魔祓いのときなんですが、わたしが見た回で悪魔祓いグッズ?を手にしたときに踊ってる最中にそれが壊れて地面に落ちてしまった部品があって、それを踊りと踊りのわずかなタイミングでさっと拾い上げて迷わず袖にぶん投げたフアンがそりゃもうめちゃめちゃめちゃめちゃかっこよくてかっこよかったです…。

・ルーク
かわいい、かっこいい、いやしかしかわいい!
ルークは金髪で刈り上げでちょっとこわいひとなのかな?とも思ったのですがそんなことはなくたぶん根はやさしくてとてもかわいいひとなのだろうなと思いました…。彼は「ストレス」と戦う不良少年なのですが、でもそれでも憎めない。マシューが曲を書いてアブラハムが歌詞を書いて…とひとりひとりの役割を紹介するときにひとり「おれは?おれはっ?」ってソワソワしているルークはかわいすぎて憎めない。彼がいるからツアーができてる。そう、今日も運転ありがとうルーク。憎めない。かわいかったです。犬みたいだった。
ルークのソロ曲はとてもノリノリでとても楽しかったです…。コール&レスポンスが楽しかった。訓練されたアルターガールたちをお手本にわたしも手を挙げて楽しみました。ルークのメッセージはとてもまっすぐでとても単純。鍛えろ、強くするのはどこか、魂だ!そう、魂!ルークの魂は鍛えられているのでしょうか。その途中でしょうか。がちがちに鍛えられたならばもう車を蹴ることはなくなるでしょうか。振付もかっこよくかわいく敬礼とさいごわっしょいわっしょいルークを担ぐみんなで癒されました。おろして~ってこそこそするルークはやっぱりかわいかった。
かわいい!かっこいい!を行ったり来たりする忙しいお人だ…。ひつじさんパペットをうがー!よこせー!おらー!って回収するのめっちゃかわいかったです。でもそのあとしまう時は丁寧にしまうんだよ…かわいい…あとケーキ引っ込めようとするときギギギギ…って音たててしまってやっべーって顔して結局抱えて捌けていき最終的にどんがらがっしゃん音をたててしまうのすごいかわいい…あっ結論かわいいかもしれません…。

・アブラハム
公演後しばらく「アブちゃん」しか言葉を発せなくなる病気にかかっていました。アブちゃん。
アブラハムはほかのボーイズとは少し違うことがあります、それは彼が「ユダヤ人」だということ。不勉強なためむつかしいことはよくわからないのですが、ユダヤ人とキリスト教がなんとなく仲が悪いことはなんとなくわかります。そしてそんなユダヤ人のアブラハムが教会に入ってきて、最終的にアルターボーイズのメンバーとして活動することになるなんて、アブラハムも、そしてマシューたちも覚悟が必要だったのではないかなとおもいます。アブラハムは文才にあふれた青年で、アルターボーイズの楽曲は彼が作詞しています。さらに、ライブ中に見せてくれる彼らの出会いを紹介するお芝居の脚本を書いたのも彼。才能あふれる人物です。
彼らがアルターボーイズとして人々に歌や踊りで神の言葉を伝えようと決めるのは神の声を実際に聞いたからなのですが、そのときその場にアブラハムもいて、5人はそのままバンドを結成します。けれどそのときのことをアブラハムはずっと事故なんじゃないかなとか思っていたようで、でもちがうよ、きっと5人だからなんだよ…そう信じたくなったのが、そしてそう信じていいんだよってなるのが、彼のソロ曲。アイビリーブこれには理由があるって、そう繰り返すその歌詞を書いたのはかつてのマシュー、そしてアブラハム。きっとアブラハムがアルターボーイズになったのは偶然じゃなくて必然だった。そうおもっていいんだよ、それで正しいんだよと。実はアブラハム以外のメンバーはそれぞれソロでデビューしないか?とお誘いを受けそれにOKしソロ契約を結んでしまっていて、そのことでライブの終盤にごたごたしてしまうのですが、しかし、アブラハムだけは、アブちゃんだけはソロ契約のお話がきても断っていたことがわかります。それは、1人では意味がないと神様が言っていたから。たくさんの光が集ってこそと言っていたから。そして長い時間を一緒に過ごして来たメンバーのことを「家族」と思っていたから(このとき、家族、という言葉をフアンが言うのもぐわってきました。アルターボーイズたちはみんなどこか補い合って、支え合って生きている)。それを言うのが、私がこのバンドに入ったのは事故だったんじゃないかなんて言ってしまうようなアブラハムなんです。そんなことないよと、そんなことないよアブちゃん!と。アブラハムの言葉と歌に誘われてひとりずつ、メンバーたちが歌に入ってきます。ひとりまたひとりとハーモニーに加わって、さいごにやってくるのがマシュー。悩みを振り切った彼らの魂が最後に浄化され、ソウルセンサーの数字が歌に合わせてひとつ、またひとつと減っていくのは神々しすぎるシーンでした。彼らを救ったのは、出会ったころのかつての彼らで、きっとそのとき出会えたことには必ず意味があったんだと、それを信じていいんだよと訴える最後のナンバー。横一直線に並んだ5人のシルエットが美しく輝いていました。
淡々と、けれどときに魂をこめて語るその姿はほんとうに天使のような、神様に近い存在の様な、そんな透明感をおぼえました。ぽんぽんぽーんと繰り出されるアクロバットも含めて重力の外で生きてるみたいな存在で、とても不思議な魅力にあふれていました。これは大変な罪ですよ!はしばらく癖になります…。


ていう、どの人物も魅力的でみんなだいすきです。そしてソロ曲以外にも所狭しと散りばめられた多くのナンバーたち。そりゃああれだけ歌って踊ったら汗だくになりますわ!しかたない。フアンソロとアイビリーブを除けば羊パペットのだいじょうぶとリズムインミーとあとやはり一曲目でしょうか…そこらへんがすきでした。そして最後のメドレーがサイコーでした!!!あれサイコーだった!!!ミュージカルってあの歌もういちど聞きたいなとかあってももう聞けないですもん!サイコーだった!フアンが自分の曲を堂々と歌っているだけでしあわせなきもちになれました。最後までわくわくさせてもらえました。

 

いろんなところで言われていますが、アルターボーイズたちはみんなはみ出し者です。けれどそんなはみ出し者、マイノリティの彼らだからこそ、せいいっぱい歌って踊って、人々の魂を浄化させるためにすべてをぶつけてくるその姿がきらきらしてて、神々しいってこういうことだな!とおもいました。それぞれ抱えている問題が違っていて、でもみんなそれを深く追及することなく、それこそ羊のパペットをぱくぱくさせながら「だいじょうぶ」なんて歌える彼らは強くて、それがきっと彼らの魅力につながっているんだなとおもいました。そう、みんな強い。強いけれど、たまにぐらついて、けれど5人いれば「だいじょうぶ」なんだなあって。


1度しか見られなかったのを、すごく、すごく悔いています。あと100回くらい見たかった。そしてきっともっと宗教の問題とか人種の問題、そのたいろんな問題が絡んでいてそれを勉強したほうがぜったいもっといろんなことが深く味わえると思ったのですが、いまのわたしではこれが限界です。けれど、いまのわたしでもじゅうぶん楽しめました。きっとそういう作品なんだろうなと思います。よくわかんないとこもあるけど楽しいや!!!でもよく知っていくともっとすごいや!!!深いや!!!みたいな。いまはパンフレットの楽曲解説を読んでもう!沼!!!ってしています。ああこれは知れば知るほど抜け出せなくなるやつ。ほんと、底なし沼の魅力があるボーイズたちでした。最高でした。レジェンドとクリスマス公演、このままだとふらっと行ってしまいそうです。すきです。ほんとうにすてきな空間をありがとうございました、もっとたくさん見たかった~!