つれづれと

雑食おたくが綴る感想やら独り言やら写真やら。

【感想】ハンサム落語 第四幕

ハンサム落語 第四幕

2014.5.14~18/CBGKシブゲキ!!

出演:磯貝龍虎、植田圭輔、太田基裕上山竜司、平野良、藤原祐

 

 

行ってまいりました、だいすきハンサム落語。


「第四幕」ということで今回が4度目の公演。たしか第一幕は去年の2月?とかだったので、もう1年以上この舞台追っかけてるんだな~などと感慨深くなりました。今回はなんやかんやで一幕に次ぐ通いっぷりになり、いろんなことをたくさん考えながら見られてよかったです。シブゲキの椅子もふかふかでしあわせでした。落語は座ってやってしまうので後ろのほうからだと見えなくなったりするんで、シブゲキくらい高低差のある客席ありがたいです…。

さて、ハンサム落語とは若手俳優が2人組で落語を演じるというもの。といっても実際の落語とはだいぶ異なり、まず出演者は二人ずつです。そのふたりが並んで座り、台本を見つつ、会話形式で落語を進めていきます。ちょっと朗読劇っぽいところもあるのかなっていう公演です。役者さんが着ている衣装がどれも艶やかですてきで、男版花魁だなんて言われてるので、ぜひ公式サイトでそのお美しさを確認してほしいです。今回は新たなメンバー、新たな演目で新鮮な公演となっていました。
あとハンサム落語おなじみの幕と照明がとってもきれいでだいすきなのですが、今回それを使った登場シーンがいつもと違っていて、それはそれでかっこよくておもしろかったです!!!
そんなハンサム落語、今回は持参金、死ぬなら今、紙入れ、火事息子、の4公演でした。すべて新作でございます。


●持参金

ずっと昔に借りていた20円を返すために、20円がついてくるちょっと容姿がアレな女の子と結婚しちゃえ!という男のひとのお話。これのオチ、というか真相がわかったときの、まったくホラーではないのにちょっとぞわってするかんじがすきでした。客席がざわざわってするかんじ(笑)。

いろんなペアの持参金を見ました。太田さんは初日の初回を見たので終始アワアワしていて特に枕は緊張しているようでしきりに隣の藤原さんを見ていたのがかわいかったです。磯貝さんのダメ人間っぷりがよかったし、植田さんの関西弁が拝めたのは大変たいへんありがたかったです。何故かいない藤原さんの話題が挙がる回も。
個人的に好きだった組み合わせは磯貝さん植田さんの持参金でした。あと太田さん藤原さんのこの演目だけ「途中でネタバレする」というのが顕著でおおおなるほどそうきたかって感じがしました。ほかのペアは最後までオチがわからないようになっているんですが太田さん藤原さんのところは(たぶん意図的に)早い段階で話を読ませてしまうという流れでした。途中で客があれ?ってなって気づくかんじがこのペアのときだけタイミングが違っていたというか…。
「嫁」と呼ぶか「かかあ」と呼ぶかでそのひとのキャラづけがずいぶん変わるなあだなんて思いながら見てました。


●死ぬなら今

ケチで有名なケチ兵衛さん、還暦を迎えて死ぬ間際に息子に「俺の死体を入れる袋の中に300両を入れてくれ」と頼みます。地獄の沙汰も金次第って言うだろ、と言い残しケチ兵衛さんは逝ってしまいます。遺された息子は300両を袋の中に入れようとするのですが、勿体ないと親戚に止められ…という話でした。この話をする前に「これには落ちがないよ」と説明を受けるのですが、個人的には「落ちがない」ではなく「落ちが特殊」という印象を受けました。本来の落語ではどういう扱いになってるんでしょう?結局タイトルの「死ぬなら今」っていうのが落ちになっていて、落語って登場人物の台詞で落ちるってイメージがあったので、ナレーション(???)で終わるのが珍しいってことなのかなと。でもきれいな終わり方をしていて、個人的にはやられた~ってかんじでとてもすきです。

これはダントツで上山さん平野さんペアのが好きです!ていうか全体的に上山さん平野さんを大プッシュしてしまいそうでこわい。息子と閻魔大王を同じ人が演じるのですがそこの落差が見えるのが面白いな~っておもいました。植田さんの閻魔大王様ほんとにかわいかったです…かわいいって言われて怒る閻魔大王様がさらにかわいいです…。親戚の役作りが皆それぞれ個性的でした。磯貝さんが身長をなんとか低くしようとして演じているのがかわいらしかったです。最後オチ言う前に「ひゅーーーーー」って風の音を言ってくれる平野さんおもしろすぎてずるかった。


●紙入れ

ハンサム落語あるある、女の人ががっつり出てきてがっつり男女のアレコレが描かれるわりと際どいかんじの演目が今回はこの「紙入れ」でした。不倫をしている男の人を「間男」と言うのですが、その間男である新吉さんの話。ある晩不倫相手の奥さんのおうちで一晩を過ごそうと思っていると、帰ってこないとおもっていた旦那さんがなぜか帰宅、慌てて逃げ帰るも私物の紙入れ(しかも奥さんからの手紙入り)を忘れてきてしまってさあ大変っていうお話でした。見どころと盛り上がりどころはは不倫相手の奥さんってかんじがしました。

お嫁にほしい奥さん第一位は植田さんの奥さんでしたが話のもっていきかたは太田さん藤原さんのペアのものがすきでした!植田さんのおかみさんはとにかくかわいらしくて、美しくて、でもおもしろくて、そのバランスが最高でした。太田さん藤原さんペアのお話は日に日に「間」が長くなっていって、その間がおいしい役目を果たしていたのが好きでした。あと上山さん平野さんペアの時に平野さんが「持参金」のキャラをそっと登場させてくれたのに簡単に沸いてしまいました…。なんていうか、あああの人たちはちゃんとした結婚生活送ってるんだな~ってとてもしあわせな気分になれました。際どいセリフとかもたくさんあって終始客席がざわついていた印象があります(笑)。

 

●火事息子

そしてこちらもハンサム落語あるある、最後はちょっといい話。ある火事の日、旦那様が自分の蔵に火がまわらないようにと番頭さんに泥を塗れだなんて指示をしているときに颯爽と現れた全身刺青だらけの火消しさん。じつはその火消しはかつて旦那様が勘当をした実の息子で、という親が子を思う気持ちと、子が親を思う気持ちが描かれているものでした。ハンサム落語あるあるの人情話のなかでここまでがっつり親子(両親ともに)の愛が描かれているものって今までなかったかな?とおもっております。文七元結は半分くらい親子の話だけれど、半分くらいは江戸っ子の粋!って印象だったので…。

わたしはこのお話に出てくる「定吉」というアホな丁稚奉公さんが好きすぎて困ったのですが、磯貝さんと平野さんの定吉は「実はできるけれどアホを演じている」ってかんじで、太田さんの定吉は「ほんとにアホ」って印象でした!アホ前回の定吉とてもかわいい!すきです!特に磯貝さんの定吉は最後すっごいかっこよくなってずるいな…ってなりました。ペアとしては上山さん平野さんのペアのがいちばんすきです。平野さんの定吉・奥さん・若旦那の演じ分けがさいっこうに好きでした。最後ほうの奥さんのセリフで「ね?」って笑いかけるのがあるんですがそこで旦那様じゃなくて若旦那に笑いかける平野さんの奥さんほんとにすっごいな~って、思って、そこでぐわって押し寄せるものがありました。とてもよかった。

 


今回のハンサム落語、公演期間中も今までとはなにかが違うな~ってずっと思ってたのですが、公演が終了したあとの平野さんのブログを読んで解決しました。「フローラル」でした。今回、ハンサム落語というものを過去に体験していたひとが磯貝さん平野さんだけだったこと、さらに磯貝さんは開始2日目でいなくなってしまったことなんかもありまして、だいぶ新しい風が吹き込んだ公演だったなあという印象があります。そしてその新しい風というのが、だいぶフローラルな風でした。フローラル。もしかしたら取り上げた4つの演目がそういう傾向だったのかもしれなかったのですが、とてもおとなしくきっちりまとまっていたな~と。だからってあまりにもいろいろはっちゃけすぎて逸脱して結局何の話だっけ?ってなっては本末転倒なのですが、枕ひとつとっても、なんとなくきれいでまとまりのある公演だったなってかんじがしました。もちろん、見やすく聞きやすかったのはたいへんうれしかったのですが。なんだろう、さらっとしていた、というか。できればもっともっとごちゃってしてるような、そういうのも見てみたかったな~って。

磯貝さんの公演を1日しか見られなかったのが悔やまれるのですが、とにかく磯貝さん・平野さんという二大はっちゃけを真っ向から受け止めていた上山さんのポテンシャルの高さに惚れ惚れしました。上山さんはたぶん出演者で唯一私物の手ぬぐいを使っていたり、歌舞伎が好きとのことから扇子をカンカンと歌舞伎みたいに鳴らしてリズムをとっていたり(これが落語的にセーフなのかはわかりませんがわたしはその独特なリズムがたいへん好みでした)と、なんとなく日本文化っぽさ、を感じられて好きでした。あとはもうさっきからずっと絶賛してますが平野さんのハンサム落語での安定感はピカイチだなーと!第一幕からずうっとお世話になっていますが、緩めるところ緩めまくって締めるところでぴしっと空気まで変えてしまえるところがほんとにすごかったです。一言しゃべっただけで空気を変えてしまえるかんじ。目線とか、キャラに合わせた喋るスピードとか、そういうの含めてぜんぶかっこよくて好きです…大絶賛。今回孤軍奮闘していた感あったので次回はぜひハンサム落語四天王(って、わたしが勝手に呼んでます)の磯貝さん平野さん宮下さん吉田さんが揃うといいな~って、心から、思っております…。


という感想でした。最初の演出とか、最後のトークショーとかも楽しくて、とても充実した日々を送らせていただきました…。ほんとにたのしかったですし、みんなかわいいなあ!ってなりました。やっぱり組み合わせによって全然違う印象になりますし、そして役者さんそれぞれの個性や実力、得意分野や魅力なんかがたくさん発見できる場所だなあと改めて。見比べるのも楽しかったので、今回多めに通ってよかったです。いろんなペアが拝めました。たぶん磯貝さん藤原さんペア以外は全部見られたと思うのですが…。

 

今回は、ハンサム落語という公演に改革が起こったような、そんな第四幕だった気がします。この先この公演がどんな方向に行くのか、そもそも続編があるのかもわかりませんが、ここまできたらファイナルまで追い続けますので、ぜひぜひ、また拝ませていただければなと思っております。個人的に、今回のメンバーでの明烏とか、とっても見てみたいです。あとは四天王も含め、第一幕~第四幕の皆さんが集まって、第五幕を開催してくれればいいなあだなんて期待しています。仲良し同士がもっと仲良くなるのも、ほぼ初対面同士がだんだんと距離を縮めていくのも見ていてほっこりするのでとにかくもっといろんな組み合わせが見たいです!!!あっでもモンスターと猛獣使いの吉田さん宮下さんペアとか懐かしんでいるのでそこは外さずにください!