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つれづれと

雑食おたくが綴る感想やら独り言やら写真やら。

【感想】ハンサム落語第三幕(2014.2.7)

ハンサム落語第三幕

2014年2月7日ソワレ/赤坂REDシアター

出演者:荒木宏文、林明寛、平野良、宮下雄也

 

以下ネタバレ注意です

 

 

行ってきましたハンサム落語。

ハンサム落語とは、若手俳優が2人組で落語を演じるというもの。実際の落語のようにすべてを覚えて話すわけではなく、台本を見つつ(と言ってもがっつり読むわけではないです)、2人で分担していくつかの役を演じ分けながら会話形式でお話を進めていく落語と朗読と会話劇をごっちゃにさせたような公演になっています。演者さんはてぬぐいと扇子を持ち、お引きずりな派手な着物を身にまとい、座布団に正座したりあぐらかいたりでお話をしていきます。2人の演者さんが隣同士に座るのですが、落語の本編中はお互いが目線を合わせないで会話しているのが落語っぽくておもしろいとこだなーとおもってます。

あとこの公演見るたび言ってる気がするんですがわたしはこの照明がすごくすきです。うしろに幕が4つ下がっているのですが、場面場面によって照らすライトの色が変化するとその幕の色も変化して雰囲気づくりに一役買っています。洞窟の中へ入っていくときは青からもっと黒っぽい色に、遊郭はピンクからカラフルな色に…基本的に演者がその場から動かない分、背景である幕に動きがつくのがとても好みでそしてとてもきれいです。すきです。

今回が3回目です。はやいですね。もう3度目なんですね。そしてちょうど第一幕から1年経ってるんですね、とおもったら感慨深くなりました。すっかりハンサム落語ファンです。くやしい。

 

さて本編。この日は出演者に挙げた4人の方の公演日でした。ほかにあと磯貝さん吉田さんがいらして、計6人でいろんなペアを作りつつ毎日公演しているというかんじです。

そして今回の第三幕は事前にアンケートで募集した「第一幕・第二幕で上演されてもう一度見たい演目」を新しいペアで行う、というコンセプトがありました。なので「一度見たことがあるもの」ですが「ちがう人が演じることによって新しいもの」になる様子をまざまざと見せつけられた気がします。つまりその変化を見られたのがたのしかったということです。

 

◆死神(荒木・平野ペア)

初っ端からきた!とおもいました。第一幕のネタです。

死にかけの人にとりついている死神が見える男が、それを使ってとある商売を始める…というお話。このお話の個人的注目ポイントはそれぞれの「死神」の役作りです。本編中に「痩せ細った老人」という表現がされているんですが、役者さんそれぞれの老人像がばらばらで楽しいです。今回の荒木さんの死神は王道老人路線(?)な気がしました。というか全体的にしっかりきっちり寄り道もせずやっているなあこのふたりの組み合わせはそんなかんじなのかな?と思ったらアフタートークでそれがわざとやっていたことだと判明してなるほどなとなりました。初心に帰ろうということであえてきっちり台本通りに進めてみたらしいです。結果シーンってなったので次は初心に帰ることをやめたそうです(笑)。

平野さんの「パーラダーイス!!!」がかわいかった。枕は「お金で買えないもの」の話。荒木さんいわく「お金で買えないものはお金。愛はお金で買える」だそうで。そして時間はお金では買えないよねって話からコールドスリープの話題になったのですが、自分から話振っておきながらいまいち理解していない荒木さんが平野さんにコールドスリープってのはね、と丁寧に説明を受けておりました。そういう小説がすきらしいです。

 

◆抜け雀(林・宮下ペア)

第二幕で上演されたもの。宿泊代の代わりにとある絵描きさんが残していったのはスズメが出入りするという不思議な衝立。その衝立を巡ってのお話です。終始コメディタッチでとてもたのしかったです。林さんは最初緊張されているのかしらと勝手に思っていたんですがだんだん自由奔放になってきてしまいにはあの宮下さんを動揺させるというところまで行き着いたので感激しました。ぱたぱたぱた…っていうスズメの羽音を表現するときに扇子を使うのですが、それがうまく行ったりいかなかったりでちょっとはらはらしました。でも朝日が差し込んでくるのは見えました。

絵描きさんが絵を描くときの効果音を勝手につける林さん、それに乗っかって踊りだす宮下さん。すてきでした。枕は「旅、宿屋」から派生した話題で「東京と大阪でちがうところ」。大阪あるあるは生まれも育ちも関東のわたくしにはいつも刺激が強いです。宮下さんいわくやっぱり大阪の人のほうがあったかいとのこと。あと下着の古着を売ってる。まじでか。林さんが「ツッコミください!」と手を動かしてアピールしていたのに宮下さんには「なんで自分の乳首いじってんですか?」とまったく伝わっていなかったです。

そういえば抜け雀はオチがインパクト薄いなと気になって調べてみたら元の噺のオチとはちょっと違ったのですね。籠、というのがちょっと伝わりづらいからという配慮でしょうか。お父さんが出てきたらまた絵師さんの印象もちょっと変わったかなという気がします。宮下さんの絵師さんはすごく堂々としてて大きかった。

 

明烏(荒木・平野ペア)

第一幕の演目。これまたきたー!と思いました。明烏は19歳にもなって女遊びのひとつもしたことがないおぼっちゃまを友人が「お稲荷さんへのお参りだ」とだまして遊郭へと連れて行くお話。個人的にはおぼっちゃん藤吉郎さんの堅物おぼっちゃんぷりと、遊女さんのお色気が見どころだと思っています。何を隠そうわたしは第一幕で平野さんが演じた明烏の藤吉郎ぼっちゃんがだいすきでだいすきだったのでまた見たいなあとおもっていたのです。しかし今回は配役が逆でした。遊女を色気たっぷり(?)に演じる平野さん。それはそれでとてもたのしかったです。可能性は無限大ですね。

お酒の飲みっぷりが小汚いと怒る平野お父さん、荒木藤吉郎さんに向かって「もっといつもライブでやってるみたいに!!!」と言っていました。笑いました。枕は好きな女の人のタイプなど。全然関係ないお話をのんびりするお二人がかわいかったです。荒木さんのセリフはひらがなに聞こえる。

 

文七元結(林・宮下ペア)

第二幕の演目。人情のおはなしです。博打がだいすきな男の人、その娘、そして偶然出会った若者…それぞれが人を思いやり「粋」「人情」なんて言葉がしっくりくる内容で、ハンサム落語は毎回ひとつこういうほっこりほろっと話があるようです。第一幕はそれが芝浜かなとおもってます。さて今回博打うちのおとっちゃんを宮下さんがやるのかしらと思っていたらところがどっこいそれを林さんが演じられていてびっくりしつつしかしとても「素直になれないでもかっこいい!」って感じのキャラクターになっていたきがします。いやただのギャンブラーなんでほんとは全然かっこよくないんですけど、でもなんだかかっこよく見えました。あと宮下さんの奥さん最高でした。いちいち喘ぐな。

枕は「粋」なお話。林さんは粋だね~とか言われたことあります?→ないです。じゃあさりげない男らしさがあるね~とか言われたことあります?→ないです。宮下さん、「もうこの話やめます…?」ってなってました(笑)。消しゴムを拾ってあげるときにドヤ顔をかます宮下さん。そして問題の告白するときのセリフ話。昔好きだった女の子に「おれの女になれよ」と告白した宮下さん、その台詞をいった瞬間どこかでカラスが「カァ」と鳴いたそうです。うそだー!つくりばなしだー!とつっこむ林さんなのでした。ちなみに林さん的には宮下さんに「おれの女になれよ」は似合わないと思ったらしい。客席も笑いながら拍手したら宮下さんに怒られました。だれもがタッキー&翼になったっていいじゃん!?と怒られました。

 

◆アフタートーク

MC荒木さんで4人で大喜利風トークです。

今日の感想を五七五で、そしてさいごはあいうえお作文で…という流れなのですがそれ以外のくだらないお話がほんっと盛りだくさんで笑いすぎました。途中から林さんの長渕剛さんのモノマネが(平野さんの中で)大流行してしまい終始そのモノマネを振られて律儀に応えてあげる林さん…。あと宮下さんの告白やりなおしもしました。シャワー浴びてるときがいいよ!という平野さんの提案によりシャワー浴びつつの告白を練習する寸劇。シャワー役に林さん。あいうえお作文は「ながぶち」でした。笑った。終わったあともう一度出てきたときに荒木さんが意図的に「この3人で頑張っていきますんで!」って林さんのことを頭数に入れず、抗議を受けると「だって長渕さんは別格ですもん~」と誉めてんだか貶してんだかわからないことを笑顔で言っていました。

 

◆前アナ後アナ

担当は荒木さん。ひらがなで読み上げてるのすごくかわいかったです。読んだ後に「読めた~」ってうれしそう。キャストさんたちのことを「荒木とゆかいな仲間たち」と呼んでいました。

 

とってもたのしくてそしてどこかなつかしくもありました。まだ1年しかたっていないのに。ハンサム落語は同じ台本をいろんなペアがやるということ、みんなが同じ条件で演じるということで個性やら実力やらがいろいろわかって気になる人がどんどん増えていく現象に陥るのでこまります。これ磯貝さん友一さんのもみたかったなあ…。やはりというかなんというか、経験者であり芸達者な宮下さん平野さんは安定でした。ただ平野さんはお忙しかったこともあり(別の舞台の本番直後ですよね…?)ちょっともったいない!って気もしたのでぜひ今度はのんびり練習してください。荒木さんは台本いらないんじゃないの?ってくらい顔を上げて演じていらしたのが印象的でした。林さんは若いイメージの役が多かったので今度は死神とか女の人とかをがっつり見たいです!ぜひ!

会場は二幕とおなじREDシアターなのでこじんまりした近すぎず遠すぎずな距離がこの雰囲気にあってたんじゃないかなと勝手におもってます。ちなみに第一幕→サンモール、第二幕→REDシアター、第三幕→REDシアターなので、サンモールから脱出してくれてよかったな~と。落語なので座られちゃうので、そうするとあの劇場はE列あたりからまったくお顔が見えなくなってつらかったのです~;;; 第四幕はなんとシブゲキですね。シブゲキすき。うれしい。今回は第四幕のチケットも先行発売してまして、けっこうな人が並んでいた印象です。第四幕は5月公演。いまからたのしみ。

 

今回はハンサム落語史上初の大阪公演もあるということで!その流れでそのうち上方落語もやってくれないかしら~とおもっているんですがむつかしいのでしょうか。拍子木カンカンってイケメンがやったらかっこいいとおもうの(単純)。

楽しい時間をありがとうございました。残り公演も応援しております。都合がついたらもう一度行きたいとひそかにねらっております。